ふるかわひであきが、日頃の出来事をただ淡々と耽々と語ります。ただ淡々と耽々と毎日続けるブログです。くじけた時も、淋しい時も、裏切られても、だまされても、いじめられても、泣かされても、平気な顔して続けます。ブログは歌とカウンセリングとSC便りを超えられるか・・
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スッポン 19

偶然

 

その日の熊五郎は実にしつこかった。

 

何度も何度も僕たちを殴りつけた。

 

僕たちを1列に並べて「気を付け!手を後ろに組め!歯を食いしばれ!」と言って何度も笑いながらビンタを食らわした。

 

なんでも熊五郎のお父さんが軍隊経験者で、熊五郎もこのやり方で父親に殴られていたらしい。

 

熊五郎の弱い者いじめは、その八つ当たりなのかもしれない。

 

ビンタを食らわせた後は、必ず「ありがとうございました」ということを強要した。

 

とうとうA君が泣き出した。

 

僕もういやや、何でこんな目に遭わなあかんねん、と泣き叫んだ。

 

泣き叫びたい気持ちは僕たちも一緒だった。

 

だけど、どうしようもない。

 

ちょうどそこに自転車に乗った反社会勢力のお兄さんが通りかかった。

 

お兄さんは、スッポンのお礼を僕たちに言ってくれた。

 

お兄さんはここで何をしているのかと聞き、すかさずA君が泣きながら事の顛末をお兄さんに告げた。

 

お兄さんは熊五郎からお金を取り上げ、今度この子たちに手を出したら、切り刻んでスッポンの餌にするぞと言った。

 

熊五郎は悪びれる様子もなく地面に唾を吐き捨て、自分の父親は土建屋でやくざの知り合いもたくさんいる、という内容の言葉をお兄さんに投げかけた。

 

その瞬間、お兄さんの平手が熊五郎の右頬をとらえた。

 

お兄さんは自分の左腕のシャツをまくり上げ入れ墨を見せながら、いつでも誰でも連れて来い、と静かに言った。

 

熊五郎は大声で泣きながら帰って行った。

 

何となく僕たちは、熊五郎は案外根性なしかもしれないと思った。

 

今日もブログに来てくれてありがとう。

7月31日

ふるかわひであき

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